わたし的感覚 Vol.1「彼氏と別れた」

一週間と少し前に彼氏と別れた。

5年ぶりにできた彼氏に浮かれていたが、1ヶ月とたたずに別れてしまった。他人と名前のある関係になって、それが終わるのは単純に苦しい。それが1ヶ月という短い時間でも、自分の存在を全否定されたような感覚になってしまう。

もう一度恋愛をするとなると、また最初から関係の構築をしなくてはいけないのだなあと考えるといよいよ恋愛に対して億劫になってきた。

別れてから頭に浮かぶのは鋭い言葉ばかりで、そんな自分が嫌になって自己嫌悪に陥ってという繰り返し。そんな時はどんなに優しい言葉を人にもらっても「人間なんて信用できない」とどこかの野良猫のように目が鋭くつりあがってしまう。

自分では吹っ切れたと思っていても、どこにも焦点が定まっていない、頭に靄がかかった状態で毎日を過ごしていた。だけど、それも昨日で終わった。

ご飯に誘ってくれた友人と、家の近くの居酒屋で今の心情を話す。自分を責める言葉が出てくると間髪入れずに「また言ってる〜」と隣から肩を小突かれるというのを繰り返した。そうしているうちに、自分がどれだけ不毛なことを考えていたか徐々に気づいていく。

ラストオーダーが終わった居酒屋から夜の商店街を抜け、公園へと向かう。

どろりとした眠気と重たい目を引きずっているのに、話すたびにさっきまであった重いものが消えていくような気がした。

0時を越えるのに東京の公園はちらほらと人が行ったりきたりしていた。まだ眠らない公園に、iPhoneのあかりが残る。

警備員、カップル、誰も見ていないのにわざわざ自転車を止めて蛇口から外れたホースを取り付けるサラリーマン。

かわるがわるに公園に訪れる人を見ていると、私も誰かの生活の風景になっているのだなあとふと思う。

どれだけ辛くても、他人からしたら私は風景で、私にとっても他人は風景だなあ、なんて思うと、悩んでいること自体がバカらしく思えてくる。

生きているとか、死んでいるとか、そういうことにすぐ直結してしまうのが私の変な癖なのだが、帰り際に友人とハイタッチをした手の感触に、ああ、私生きているんだよなあ、なんて思った。

家につくともう時間は深夜2時。

メイクを落として、歯磨きをして、服を着替えて、お風呂にも入らずにベッドにダイブ。体をすり寄せてくる猫を抱きながら、体と意識を睡眠の宇宙に飛ばした。

起きたらきっとこのモヤモヤは全部なくなっているだろうなあ、と妙な自信と共に。

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さどまち

さどまち

1994年生まれ山口出身、台湾のハーフ
日常や感情を切り取るエッセイスト/写真家
エッセイメディア「MIMIUCHI」を運営。
会社員をやりながら撮影したりエッセイを執筆。

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